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MVのワンシーンに自分の顔を入れる — みんながやる方法は3つ、でも解いている問題が違う

FaceFusion・Runway Aleph・Nano Banana Pro + Veoを実際に回した記録 — ひとつは課金の段階で止まった

有名MVのワンシーンを持ってきて、顔だけ自分に替えた動画が流行っている。「みんなどうやって作っているのか」が気になって調べると方法は3つあり、3つとも自分で回してみた。ひとつは課金の段階で止まった。

先に結論を言う。ああいう動画はたいてい顔だけの交換だ。人物まるごと替える方法は別にあり、最初のフレームを編集して動画を作り直す方法は元の「再現」ではなく、似た雰囲気の新しいシーンになる。この記事を読めば、欲しい結果に合う方法を選べる。

まず線を引いておく。入れる顔は自分の顔か、同意をもらった顔であること。実在の人物に見える形で公開すれば、なりすましやディープフェイクの問題になる。公開するときはAIで変えた映像だと明記する。元のMVや音源は著作物なので、YouTubeならContent IDに引っかかることがある。

3つの方法をひと目で

1. Face onlyMV clipswap face regionoriginal scenehair stays2. Whole personMV clip + youre-render personoriginal motionyour hair, body3. Edit frameone stilledit, then i2va new scenenot a remake
1. 顔だけ交換 2. 人物まるごと交換 3. 最初のフレーム編集→動画生成
ツール FaceFusion(ローカル)、顔交換アプリ Runway Aleph / Act-Two、Wan 2.2 Animate、Kling Nano Banana Pro + Veo / Kling / Runway
元のシーン そのまま そのまま 新しく生成される
髪・体型 元のまま リファレンスに従う リファレンスに従う
今回の結果 成功 課金の段階で停止 元フレームは拒否、新しいシーンは通過

測定環境はM2 Max 64GB、8秒のクリップ、1280×720。

1. FaceFusion — 元の映像も髪もそのまま

hyperswap_1a_256 + pixel boost 512 + gfpgan_1.4 で補正、マスクは box occlusion。200フレームで4〜8分、費用はゼロ。

タバコ・煙・手のタトゥーが顔にかかる部分まで自然だった。落とし穴はひとつ。デフォルトの --face-selector-mode reference は、角度が変わったフレームを別人とみなして飛ばす。1.2〜1.6秒と2.4〜2.8秒で元の顔が出てきた。--face-selector-mode one --face-detector-score 0.35 で解決した。

そして髪型は元のままだ。長髪の人を入れても坊主頭で出てくる。理由は 顔交換で髪が変わらない理由 に別に書いた。

3. Nano Banana Pro + Veo — 再現ではなくオマージュ

最初のフレームの顔交換から、モデルの差が出た。Gemini 2.5 Flash Imageは2回とも指示を無視して元画像をそのまま返した。16:9を指定する前は正方形に切り抜かれさえした。Gemini 3 Pro Image(Nano Banana Pro)は一発で通った。

ところがVeoがそのフレームを拒否した。

Sorry, we can't create videos from input images containing celebrity or their likenesses.

顔は替えても、構図・タトゥー・衣装がMVの元のままなので、有名人フィルターに引っかかったと見ている。MVのフレームを使わずに「似た雰囲気のシーン」を新しく生成すると通り、8秒の動画に音まで付いて出てきた。

ただ「locked-off static camera, no zoom」と入れても、2回ともカメラが後ろに引いてワイドに変わった。この経路はMVの再現ではなくオマージュだ。流行りの動画のうち元とどこか違うものは、たぶんこちらで作られている。

2. Runway Aleph — クレジット0で403

スクリプトは用意したが、アップロードの段階で403が返ってきた。At least one credit purchase is required for this account to use ephemeral uploads。一度も課金していないアカウントはアップロードから止まる。

ローカルの代替であるWan 2.2 Animateは、Macだと8秒で数十分以上かかりそうなので回していない。だから2番はまだ結果がない。AlephもVeoのように元のMVフレームを止めるのかは、クレジットを入れてから確かめるつもりだ。

なぜみんなローカルやアプリを使うのか

生成系API(Veo)には有名人フィルターがあり、ローカルツール(FaceFusion)にはない。元のシーンをそのまま使いたい人がFaceFusionや顔交換アプリに集まる本当の理由はこれかもしれない。フィルターがないということは、そのぶん使う側が線を守る必要があるということでもある。

自分の基準はこうだ。元の演技を生かして顔だけ → 1。髪や服まで → 2。元と違っても雰囲気だけ → 3。

映像制作にAIを組み込むうえで、どの経路が合うか迷っているならnegabaroに相談してほしい(お問い合わせ)。

キーコンセプト

1

元の演技を生かして顔だけ → FaceFusion。髪は元のまま残る

2

ちらついたら --face-selector-mode one --face-detector-score 0.35

3

髪や服まで → 動画置き換え(Runway Alephなど)。課金済みアカウントが必要

4

最初のフレーム編集→動画生成は再現ではなく新しいシーン。元フレームは有名人フィルターに引っかかることがある

ユースケース

自分の顔で作るショート動画・オマージュ動画 映像制作フローにAIの顔処理を入れるか判断するとき

参考資料

← 顔交換で髪が変わらないのは性能ではなくマスクの範囲のせい — 複数のモデルがリレーするパイプライン AIタグは「何が写っているか」ではなく「編集でどう使うか」で分ける — 写真・動画4,341件に12軸 →